ご当地キャラ“しんじょう君”の有名なまちでもある、高知県須崎市。
須崎市といえば「漁業の町」というイメージがありますが、実はミョウガ栽培が全国一の販売額。
その他、ハウス栽培によるキュウリ、ピーマン、シシトウ、花卉(かき)が主要作物となっています。
今回は、そんなハウス栽培で必要な「園芸施設(ビニールハウス)の製作・施工、販売等」を事業とされる株式会社丸昇農材さんへお伺いしてきました。
常務の横山さん、営業で入社5年目の谷内田(やちだ)さん、入社2年目の大森さんにお話をお伺いしました。
「アクアマイスター」と「産業クラスター」
ーまずはじめに、会社についてお教えいただけますか。
横山常務:一言でいうと農業において、「こうやりたい」を実現させる会社です。
例えば、家を建てる時に、「こういう間取りにしたい」、「こんな風にしたい」などあると思いますが、園芸施設においてもそのようなご要望にお応えできる会社でありたいと思っています。
将来的には、“農業のコンサルティング”と言えるような会社を目指しています。
提案・設置、メンテナンスもしますが、農業を運営する上で必要なバックアップをしていく会社です。
横山常務
ーありがとうございます。具体的にはどのような事業をされているのでしょうか。
大森さん:主に、(ビニール)ハウスの施工や、その中の機材や機械を販売・設置、メンテナンスをやらせていただいています。
ー機械というのはどのようなモノになるのでしょうか。
大森さん:環境を自動で整える為の機械になります。
例えば適正な温度を保つ為に、天窓が自動で開閉したり、日射量に合わせて自動で植物に水を与える装置があります。
横山常務:当社では「アクアマイスター」という、自社開発をした自動権水(水やり)の機器を販売させていただいています。
実際のアクアマイスター
ー“アクアマイスター”ですか!
まさにIoTの力で、安定生産や生産効率を上げるお手伝いをされているのですね。
そもそもビニールハウスの普及は進んでいるものなのでしょうか?
横山常務:施設園芸、いわゆるビニールハウスは、高知東部が発祥といわれるくらいで、高知は進んでいる方です。
ただし全国的に見ると、九州・東海地区も非常に盛んですね。
ーなるほどですね。となるとお客様の比率は県外が多いのでしょうか?
横山常務:県外もありますが、9割が県内です。
天上部が開閉するビニールハウス
ー高知県内もまだまだ普及が進んでいる段階なんですね。
少し話はずれますが、農業従事者は減っていると思うのですが、事業のマーケットはどうなのでしょうか。
横山常務:高知県は、農業の技術開発が盛んで、助成や農家育成支援を積極的に行っているので、若い方の農業への新規参入が多いんですよ。
ーそれは知りませんでした!
横山常務:また高知県が農業の「産業クラスター」を取り入れようとしていたり、最近よく話題になる、「IoTと農業」がどんどん進んでいますね。
※産業クラスターとは:一般にクラスターとは「ブドウの房」のことを意味し、産業クラスターは、ブドウの房のように、企業や公共機関、専門機関などが地理的に集積し、ネットワークを形成してイノベーションを創出すること。
ーちなみに自然災害などの影響が昨今ニュースで多くみられましたが、そのような時は御社に影響があるのでしょうか。
横山常務:須崎は少ないように思います。
突発的な災害はありますが、須崎ではその土地に合わせたハウスを作ることやその後のフォローなどによって、農家さんと当社が二人三脚で対策や設備の維持をしているからです。
ーなるほど。
横山常務:なので、被害を最小限に安定した農産物の生産ができるよう、農家さんと当社が寄り添っていける体制をつくることをミッションとしています。
丸昇農材のシゴト
ー谷内田さんはどのような仕事をされているのでしょうか。
谷内田さん:主に安芸方面、高知県東エリアで営業をしています。
先ほどの話であった、ビニールハウスの提案・施工や、環境制御に関する機材の導入のご相談を受け、一連のサポートを行なっています。
ー不動産の建築営業みたいですね。
横山常務:そうです。土木、設計、建設、メンテナンス全てやっているような感じですね。笑
ー想像以上に知識や経験が必要そうだと感じました。
お客様はどのように獲得されているのでしょう。
谷内田さん:お客様からのご紹介が多いのと、事業者様からご依頼をいただくことがほとんどですね。
あとは、農家さんの世代交代のタイミングで、後継者の方からお問い合わせをいただくことが増えてます。
谷内田さん
ー新規開拓というよりは、ご紹介やご依頼が多いのですね。
ビニールハウスの設置費用ってどれくらいかかるものなのでしょう?
横山常務:ピンキリですね。家庭菜園用で数万から少し大きくなって数十万、土も使わないようなオートメーション化された大きい施設だと、びっくりするような金額になります。
ー本当にピンキリなんですね!御社でも幅広く対応されているのでしょうか。
横山常務:対応させていただいています。その分、覚えることが多くて大変ですけど。笑
ーありがとうございます。大森さんはどのようなお仕事をされていますか?
大森さん:私は、主に施設設備のメンテナンスや修理対応、機械の設置や調整をやらせていただいております。
大森さん
ー営業の中でも業務内容は分けられているのですね。
大森さん:そうですね、まだ社歴が浅いのでサポートをメインで経験させていただきながら、
徐々に幅を広げて教えていただいてます。
原動力は「よさこい祭り」「車」「トランペット」
ー少しプライベートなお話になりますが、大森さんは今おいくつでしたか?
大森さん:今21です。
ー若いですね!新卒入社でしょうか。
大森さん:新卒ではないです。工業高校の電気科出身で、卒業後は一度電気関係の仕事をしており、昨年からここで働かせていただいてます。
ー中途入社なんですね。ご出身は高知ですか?
大森さん:佐川出身です。
ー谷内田さんは県内ご出身でしたか?
谷内田さん:私は兵庫出身でIターンですね。
ーもしかして高知でいう“Y(嫁)ターン”ですか?
谷内田さん:よくご存知ですね。笑 そうなんです。
妻が常務の幼馴染で、そんなご縁もあり入社させていただきました。
ー幼馴染とはすごいですね!親戚みたいですね。笑
谷内田さん:そうですね、あと「よさこい移住」も高知にきた理由の一つです。
ーそうですか!どちらのチームで踊られているのですか?
谷内田さん:“ほにや”です。
ー有名チームですね!練習は忙しくないですか?
谷内田さん:忙しい時期にはなりますが、うまく仕事と両立させながら参加しています。踊りはじめて10年目ですね。
ー素敵ですね!大森さんはお休みの日は何をされていますか?
大森さん:友達と飲みに行ったり、車が好きなのでドライブに行ってます。
ー車ですか!ちなみにどんな車に乗られているのでしょう?
大森さん:スポーツカーに乗っているんですよ。
本格的に走りたい時は、サーキットに行ったりもします。
日常では、もちろん安全運転ですが。笑
ー横山さんは休みの日は何をされていますか?
横山常務:商工会議所青年部という須崎の団体に参加しておりまして、「須崎まつり」やご当地キャラの「しんじょう君」などの地域のイベントに参加したりしています。
街のイベントを主催していて、「須崎まつり」や「ご当地キャラ祭りIN須崎」のお手伝いをしています。
お祭りのイメージ
ー全国的に有名なイベントになってますよね。すごいです!
横山常務:他には、趣味でトランペットを吹いています。
なかなか参加できないのですが、時間があれば地域のイベントで演奏もしています。
もう少し吹きたいですね!
親切に厳しく、そして須崎の未来のために
ー丸昇農材はどんな会社でしょうか?
谷内田さん:入社して5年目でまだまだ教えてもらうことが多いのですが、一言でいうと「親切に厳しく教えてもらえる」そんな会社だと思っています。
ー“親切でかつ厳しく”ですか
谷内田さん:すごく大事なことだと思っていて、仕事において教育の場というのは、親切過ぎてもいけないですし、厳し過ぎてもいけないと思うので、自己の成長にとても良い環境だと思います。
ー大森さんから見る会社はどうでしょうか。
大森さん:「自分の想いをカタチにできる会社」だと思います。
新人でありながらも、私の出した意見を汲み上げて議論していただき、現場で実践するなど「気付き」を大事にしていただけます。
ー素晴らしいですね。
大森さん:なので、新たな対策や改善案を言いやすい環境でもありますし、自身の仕事のモチベーションにも繋がります。
ーこの1年間で具体的に嬉しかったエピソードはありますか?
大森さん:そうですね、機械を設置する一つの現場を任せていただいた時は嬉しかったです。
もちろんそれと同時にプレッシャーも感じましたが、嬉しさややりがいが一番大きかったです。
ーありがとうございます。横山さんから見る丸昇農材という会社はいかがでしょうか。
横山常務:この仕事ってルーティンワークではなく、毎年新しいモノが入れ替わっていて、それに対応していく知識やスキルも必要になります。
なので、常に勉強が必要な仕事かなと思います。
ー今後目指していることや想いについてお教えいただけますでしょうか。
横山常務:昔は須崎も賑やかでした。
ですが私が須崎にUターンで戻ってきたときに、同級生が一人もいなかったんです。
人が帰ってこない町になってしまい、なぜか聞いてみると「仕事がない」と言うんです。
それなら帰る為に「仕事を作らないといけないな」と思いました。
ーなるほど。
またここで生まれ育った子どもたちにも「帰ってきたい」と思われる町にする為に、地元須崎や高知を盛り上げたいと思うようになりました。
ー先ほどの商工会議所やイベント活動に繋がっているわけですね。
横山常務:そうです。また当社は、二次産業ですので自分のアイデアを形にすることができます。
若い人が帰ってきて、自分で考えて行動し、新しいモノを作ったり普及させたりと、農業を通してそのアイデアを活かせる仕事にしてもらえたら良いなと思います。
ーすごく素敵な仕事ですし、ワクワクしますね。
谷内田さんと大森さんの、今後の目標や挑戦してみたいことはありますか?
谷内田さん:開発を進めているモノをタイムリーに営業して普及させることや、何かあれば「丸昇さんがいるぞ」と言われるような存在を目指したいです。
ー大森さんはいかがですか?
大森さん:導入いただいた機械の修理品質を上げていき、ただ直すのではなく、修理の品質やサイクルを改善したり、事前予防をすることで、長く安定的に機械を使っていただけるようにしていきたいです。
仕事風景の一部
これから一緒に働く仲間に求めること
ー最後にどんな方にきて欲しいでしょうか?
横山常務:一つは、学ぶ意欲がある方です。
覚えることがすごく多いので、わからないことがあれば自ら調べたり、同僚や上司に積極的に聞ける方でないと難しいと思っています。
あとは、興味の幅が広い方がすごい合うと思います。
現場や農家さんのこと、農業全体の技術が早いスピードで進んでおり、情報量も多く出ているので、とにかくいろんなことにアンテナを張って興味を持てる方がいいですね!
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