「憧れの運転手に」社会インフラとして高知県を支える「とさでん交通」の仕事の楽しさとは?

県民の大切な足として、親しまれている”とさでん交通”。


本社にずらりと並んだバス

高知県高知市に本社を置き、高知県中部を中心に

  • 路面電車
  • 路線バス
  • 高速バス
  • 貸切バス
  • 高知龍馬空港

の運営を主に行っています。


高知市の本社

高知県民であれば、この4つのどれかには乗ったことがある人は多いのではないでしょうか?

今回は、路面電車の運転士を務める井澤さんと、路線バスの運転手を務める吉永さんにお話を伺いました。

地元に根ざした、とさでん交通

とさでん交通は、1904年(明治37年)に創業した「土佐電気鉄道株式会社」と1944年(昭和19年)創業の「高知県交通株式会社」の長い歴史を承継し、この2社と土佐電ドリームサービスとの3社が統合して、2014年10月に「とさでん交通株式会社」としてスタートしました。

とさでん交通の路面電車は、日本で最も歴史が長く、さらに路線距離も25.3kmと日本一長い路面電車なんです。

そんなとさでん交通、実は電車やバス以外にもさまざまな事業を抱えています。

身近なのものは路面電車や路線バスですが、トラベル部門や広告事業、航空代理店事業なども行っています。

高知龍馬空港の航空会社のカウンターとゲート案内業務や荷物の搭降載、機体誘導などをハンドリングしているスタッフは、とさでん交通の従業員だそう。
売店とレストランの営業も行っています。

高知に根ざした企業であることがわかりますね。

会社が資格取得をバックアップ

ーーみなさんは高知出身なんですか?


左:井澤さん 右:吉永さん

井澤さん:高校までずっと高知で、大学は香川でした。

吉永さん:僕は兵庫県の神戸出身です。

ーー吉永さんはなぜ高知に来られたんですか?

吉永さん:転職を機に県外に出たいなと思っていたんです。
以前に高知に旅行に来たことがあって、いいところだなと思っていたので高知に来ました。

ーーそうなんですね。お二人が運転士・運転手になられた理由をうかがってもよろしいですか?
やはり小さいころから電車やバスが好きだったとか?

井澤さん:いや、全然そうではないんですよ。
小さいころも両親に連れられて、電車と撮った写真が残ってるぐらいで。
中学も高校も寮生活で、通学で使うこともなかったです。

香川の大学に行っていたんですけど、地元で就職したいなと思っていました。
そのときにたまたま、土佐電鉄(現:とさでん交通)が募集をしていて、路面電車の運転士っておもしろそうだなと思ったのと、車の運転が好きというのもあって応募しました。

路面電車の運転士って、どういうふうに働くのかイメージがあまり沸かなくて、できるのかなという不安は大きかったですね。

ーー昔から運転士という職に憧れていた人が多そうなイメージなので、それは意外でした!
吉永さんはいかがですか?

吉永さん:私は小さいころからバスに乗ることが好きで、バスの運転手に憧れていました。
でも、免許の取得とか難しそうだなと思って、諦めていたんです。

前職はトラックに乗る機会があって、やっぱり大きなバスを運転したいなと思うようになって。
そのときにバスの運転手を募集しているのを見て、会社が免許取得の費用を支援してくれるという後押しもあり、応募しました。

ーー運転士・運転手の免許をとるのは大変そうなイメージがあるんですが、どんな流れで取得するんですか?

井澤さん:路面電車を運転するには、「乙種電気車運転免許」という国家資格が必要になります。
学科試験と実技試験があって、入社して1〜2ヶ月は毎日勉強でしたね。

実技試験は2種類あって、車庫内の出庫業務・非常時の処置と実際に本線の試験区間での走行になります。

国家試験に受かったら、見習い教習をして、お客さまを乗せて1人で運転できるようになるために社内の独立試験を受ける、という流れです。

吉永さん:私は1ヶ月ぐらい自動車学校に通って、大型自動車第二種免許を取得しました。
そこから、路線バスを運転するために4ヶ月ほど研修を受けます。

研修後は社内の独立試験を受けて、合格したら実際にお客さまを乗せて営業運転ができるようになります。

ーー運転士・運転手になるのはハードルが高そうなイメージがありますが、試験に受かるのは大変ですか?

井澤さん:そんなに心配ないと思います。
そこまでハードルが高いわけではないですし、技術面はもちろん、費用面でも会社がサポートしてくれるのでぜひ挑戦してほしいですね。

命を預かる仕事の大変さとやりがい

ーーこの仕事のおもしろさややりがいはなんでしょうか?

井澤さん:私は朝の通勤ラッシュが結構好きなんですよ。
たくさんの人に乗っていただいた方が、いろいろな人に出会えるのでそれが楽しいです。

通勤時間は同じお客さまもよく乗車されるので、話しかけてくれたりしてくれるのが嬉しいですね。

吉永さん:憧れていたバスの運転手になれたので、やっぱり運転は楽しいなと感じます。

乗車されたお客さまから感謝の言葉をいただけたときは、この仕事をやっていて良かったなと思う瞬間ですね。

ーー逆にこの仕事の大変なところってありますか?

井澤さん:どうしても時間通りに運行できないときがあるので、お客さまにご迷惑をかけてしまうことがある点ですね。

吉永さん:やはりお客さまの命を預かっているので、そこは常に気を引き締めて運転しています。

働き方のスタイルは?

ーー電車やバスは朝早くから夜遅くまで走っていますが、働き方はどんな感じですか?

井澤さん:5勤2休で、日勤・早番・遅番のシフト制になります。
3時間に1回は休憩しないといけないという決まりがあるので、こまめに休憩は取れる環境かなと思います。
はりまや橋に休憩所があるので、そこで休憩します。

休憩中は、なにをしていても大丈夫です。

吉永さん:バスの運転手もシフト制で、早番だと朝5時からというのもあります。
基本的に、早じまいの翌日は公休、公休の翌日は遅出といった感じです。

バスも同じように、連続で運転できるのは4時間までと決まっています。
路線バスや空港連絡バスは、長くても2時間までで、4時間続けて運転することはありませんが、貸切バスや高速バスの場合は、4時間に1回30分の休憩をとります。
電車と同じく、休憩中はどのように過ごしてもいいです。仮眠室で寝てもいいですし、将棋をやっている人もいますよ(笑)

ーー5時は早いですね。みなさんここの本社に出勤するんですか?

井澤さん:路面電車の運転士は、出勤場所が本社以外にも3箇所あって、はりまや橋・鏡川車庫・後免車庫です。
日によって出勤する場所がちがいます。

吉永さん:バスの運転手は、基本的には本社に出勤します。
土佐市の高岡にも営業所があるので、応援という形でたまに高岡に出勤することもあります。

どうやってステップアップする?

ーー井澤さんは「助役心得」という役職だとうかがったんですが、助役心得とはなんですか?

井澤さん:私たちは1班10人ほどのチームで動いていて、1班ごとに班長として「助役」、副班長として「助役心得」という役職があります。
運転士の中から、一定の経験を積んだ人が「助役」という役職につくんですが、その助役の1つ手前のポジションが「助役心得」です。

助役の役割は、点呼業務や運行管理、乗務員の指導・教官などです。
今はまだ助役心得になったばかりで、新人の指導教官をしています。

吉永さん:バスの運転手は、最初は路線バス、そこから空港連絡バス、高速バス、貸切バスという流れになります。
バスの大きさで難易度が上がっていく感じです。
私は、今は空港連絡バスを運転しています。

ーー将来的にはどうなっていきたいですか?

井澤さん:助役として、みんなをまとめていきたいですね。
現場も好きなので、ずっと現場に関わっていければいいなという思いもあります。

吉永さん:今は空港連絡バスを運転しているんですが、いずれは高速バスや貸切バスの運転をしたいですね。
やはり、乗るからには上を目指したいなと思っています。

ーー空港連絡バスの前は路線バスを運転されていたということで、この2つになにかちがいはありますか?

吉永さん:路線バスは地元の人が多くて、空港連絡バスは県外の人が多いかなと思います。
バスによって、乗車される人の層のちがいもあるのでおもしろいですね。

プライベートの過ごし方

ーー会社の人とどこかに遊びに行くことはありますか?

井澤さん:休みが合った人同士で出かけることはありますね。
従業員の年齢層が20代〜60代なので、趣味の幅も広いんですよ。

ーー年齢層の幅が広いですね。なにか趣味はありますか?

井澤さん:釣りやロードバイク、最近はやってないですが少し前までは毎年スノボーに行ってました。

ーー結構アクティブに過ごされているんですね。釣りはどこでされるんですか?

井澤さん:この会社には釣りが好きな人が多くて、船を持っている人もいるんです。
釣りをする場所は高知沖や、遠いところだと松山の方まで行くこともあります。

ーー松山まで行かれるんですか!吉永さんはどう過ごされてますか?

吉永さん:少し前までは、草野球チームに入って野球をしてました。
今年子供が生まれたので、休みの日はできるだけ家族と過ごしています。

ーーお子さんが生まれたんですね、おめでとございます。お子さんと出かけたりしますか?

吉永さん:まだ小さいので、買い物ぐらいですかね。
この前のイオンモール高知の新館オープンは、初日に行きました(笑)

ーーイオンなら今後会うかもしれないです(笑)
お二人はお酒は飲みますか?

井澤さん:もともとあまり飲まない方で、たまにですね。
呼気検査があるので、次の日が仕事のときは控えるようにしています。

吉永さん:私はハイボールが好きで、休みの前日になると自分で作ることも多いですね。

向いている人や一緒に働きたい人物像

ーー求職者の方に向けて、こんな人に向いているとかこんな人と一緒に働きたいなどはありますか?

井澤さん:個人的にはおもしろい人に来てほしいです(笑)
あとは、やっぱり接客業なので、明るくて積極的な人がいいかなと思います。

吉永さん:接客業なので、コミュニケーションを取るのが好きな人や明るい人がいいかなと思います。

乗務員の3大業務である

  • 安全運転
  • ダイヤに従う
  • 礼儀正しい

が守れる人なら大丈夫かなと。

朝が早いので朝に強い人は向いていると思います。

路面電車の運転士は全員で85人、うち女性が5人、バスの運転手は220人ほどで、こちらも5人の女性運転手がいらっしゃるそうです。

県民になくてはならない、とさでん交通。

資格取得をバックアップしてくれるので、不安がある人も安心です。

お客さまの命を預かる仕事なので大変な仕事ではありますが、きっとほかの仕事では得られないやりがいを発見できるのではないでしょうか。

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ライターの感想
高知市への旅行で路面電車に乗ったとき、電車とは違った雰囲気がとても心地よかったのを覚えています。 バスや路面電車の運転手は命を預かる仕事なので、精神的にも大変なお仕事だと思います。 そういう尊敬もあって、運転手ってかっこいい職業だなと感じている方も多いはず。 資格を持っていなくてもバックアップしてくれるのは心強いですね。 やりがいを求める方には、ぜひ挑戦してほしいと思いました。
この記事を書いた人
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Haruhi Takahashi

愛知から高知県梼原町に移住。フリーのwebライター。 田舎暮らしを満喫しています。
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