2023年に高知に新たな開発拠点として「3rd Place KOCHI」を開設されたプロンプト・K。時系列データベース開発やIoTソリューション開発を手掛けており、高知県においてはビニールハウスなどの設備を利用して野菜や果物を栽培する施設園芸農業のICT化を推進。IoPクラウド(通称SAWACHI)を開発・運用管理業務を行っています。
今回は、創業者であり、代表取締役 CHOである岩倉さんと代表取締役 CEO兼CTOの天辰さんを直撃!
代表取締役 CHO 岩倉路和 さん
代表取締役 CEO兼CTO 天辰健一 さん
なんでも、もう1人の創業者で現在取締役である今村さんも含め、3名は高校の同級生なのだそう。息の合ったおふたりの掛け合いに和まされながら、最先端テクノロジーの研究開発を行うIT企業の事業の展望や人材育成への姿勢などを伺いました。
少数精鋭で速度重視のソリューション開発!プロンプト・Kとはどんな会社なのか。
ーーBUNTANではこれまでもさまざまな企業様にインタビューをさせていただきましたが、人事担当や広報担当の方にご対応いただくことが多いので、代表取締役の方々直々にお話を伺えるとのことで少し緊張しています。
岩倉さん:それもプロンプト・Kの特徴かも知れません。というのも現在弊社には20名ほどのメンバーがいますが、役員が3名、総務が1名、エンジニアが16名という構成です(2024年1月現在)。そのため、取材などの対応も役員の仕事になっていますね。
人数の割に業務のボリュームも大きいので、エンジニアが業務に集中して取り組める環境作りも大切にしています。
ーー「速度重視の開発」を会社の価値観の一つに掲げられていますが、そういう点からもエンジニアファーストの想いを感じますね。プロンプト・Kさんは、様々な顧客課題に取り組まれている印象があるのですが、事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
岩倉さん:我々の事業は “ソリューションの受託開発とソフトウェア製品販売の複合ビジネス”を主に、IoTやDXといった手段でお客様の課題解決に貢献しています。特に我々の強み、特徴としては「時系列データ」を取り扱うソフトウェアに特化していることです。
ーー時系列データですか?
岩倉さん:一言で言ってしまえば、“時間とともに変化するデータ” を指します。例えば弊社は2002年に鹿児島県で設立したのですが、周りには焼酎の酒蔵がたくさんありました。
酒は原料が発酵することで、樽の温度が変化してしまうのですが、それまでは人の手で温度を測定し、温度管理をしていました。代わりに温度センサーを設置しデータを取得。それを工場のPCでモニタリングする、いわゆるM2M(Machine to Machine ※ネットワークに接続されたモノ同士が直接的に通信を行い、データの送受信および機器の自動制御などを行う技術)と呼ばれることをしていました。IoTの前身のようなイメージですね。
IoTが繋いだ高知との縁。プロンプト・Kが東京の次に高知へ進出した理由
ーーなるほど。そこから現在実施されているIoT関連の事業に繋がっていくのですね。高知県ではIoT技術を利用した『IoP』の分野で事業を展開しているとのことですが、どのようなことをされているのでしょうか。
天辰さん:IoPのPとはPlants、つまり施設園芸農業。実は高知県の施設園芸分野は日本でも優位性を持っているんですよ。そこで弊社はIoT事業で培ってきた技術を活用してIoPクラウドを開発し、管理業務を行っています。
IoPクラウドに集まる作物・農作業などのさまざまなデータなどを組み合わせたりしながら利用価値の高い情報に変換。営農支援サービス「SAWACHI」により、生産者にフィードバックしています。
ーー鹿児島から東京へ進出され、その次が高知というのがユニークだなと感じたのですが、どういった縁で高知の農業と繋がったのでしょうか。
岩倉さん:ビニールハウスの中で使う暖房機のメーカーさんと昔からお付き合いがあって、そのご縁でお声がけいただいたという流れになります。
弊社は営業がいないのですが、出来ることを明確にし明示できているので、協力者が弊社の仕事を理解してくださり、『それなら良い会社があるよ』と宣伝をしてくださるんですよ。ありがたいことに、そういうご縁で仕事ができています。
「本当に働きやすい職場とは何か」を突き詰めたプロンプト・K自慢のオフィス
ーー2023年には高知に開発拠点『3rd Place KOCHI』を開設されたとのことですが、どのような方が働いておられるのでしょうか。
天辰さん:現在高知では4名のスタッフが勤務しています。全員地元が高知の方々です。中にはIoP事業をきっかけに入社してくれたメンバーもいますが、基本的には通常の採用活動で弊社を選んでくれた方が働いていますね。
ーー少人数だからこそ、スカウト制や仲間内で採用活動をされているのかなと思っていましたので意外です。『3rd Place KOCHI』は出社するのが楽しみになりそうな、おしゃれな内装ですね。
天辰さん:ありがとうございます。確かに高知オフィスは他の拠点と違って出社率が高いイメージがあります。高知県木材協会様の全面協力のもと、高知県産木材である “土佐のヒノキ” をデスクや壁にあしらった自慢のオフィスです。
天辰さん:また34インチ曲面モニターを全社導入するなど、社員の働きやすさを大切にしてきました。そういった効果もあるのか、出社とリモートを掛け合わせたハイブリッドな働き方の中で、皆効率よく成果をあげてくれていると感じます。
ーー本当に社員の方々の働きやすさを重視されているのだなと感じました。他にもサポート面で力を入れていることはありますか?
天辰さん:“チケットレストラン” は社員の皆が喜んでくれている福利厚生だと思います。電子マネーを使った食事補助制度で、出社・リモート問わず社員全員の昼食代の一部を補助しています。他にも“こどもアニバーサリー” ということで、社員のお子様の誕生日に会社からギフトカードをプレゼントしています。オフィスの雰囲気や開発環境だけでなく、「本当の働きやすい職場とは何か」を考えて様々な施策を実施しています。
ーー社員の方のモチベーションも高まりそうですね。先ほど「出社とリモートを掛け合わせたハイブリッドな働き方」とお聞きしましたが、うまく開発を進めていく工夫などは何かあるのでしょうか。
岩倉さん:リモートもそうですが、東京、鹿児島、高知と異なる拠点のメンバーと同じプロジェクトを進めることもあります。その場合、slackなどのコミュニケーションツールを活用して密に連絡をとっています。
優秀なエンジニアに共通していることだと思いますが、コミュニケーションを積極的に取れる人、課題が発生した際に詳しい人にパッと聞ける人が弊社には多いと感じています。だからこそ、分散していてもうまくプロジェクトを進めることができていると思います。
ーー高知県に開発拠点を開設したことで、どんな効果を期待されていますか。
岩倉さん:弊社は、システムを作るだけでなく、IoP技術者コミュニティを作り、高知県下で勉強会等を開催するなどIoPクラウドの取り組みを広げる活動をしてきました。
こういった活動には地元の方々や高知県内外のメーカー様からも多数ご参加いただいており、製品連携による新たな価値創造につながると期待しています。よって、地域に根付きながら、より一層地域に密接したプロジェクト支援体制を整えていくことが、高精度な施策の成功に繋がると考えています。
「SESに限界を感じている方大募集!」エンジニアを育成し、高知でオリジナルの仕事を
ーーここまでお話を伺って、並々ならぬ想いで高知県の基幹産業である農業を支えてくださっていることに感謝の気持ちを感じています。これからの『3rd Place KOCHI』の展望を教えてください。
岩倉さん:スタッフを増員したいですね。今もそうしていますが、IoP関連の業務は極力高知メンバーで進めていきたいと考えていることと、農業に限らず、IoTやDXなどの取り組みを進めていきたいと考えているので、この場所を中心にどんどん波を作っていきたいです。
ーープロンプト・Kで働くにはどういった方が向いているなどと感じていますか。
岩倉さん:先ほども少しお話しましたが、“コミュニケーションが積極的に取れる”であったり、“分からないことはすぐに適切な人に聞いてプロジェクトを前に進められる” というところは大切だなと思います。もちろん自分で考えることも重要ですが、 “速度重視の開発” を会社の価値観として挙げているので、そのスキルも重要ですね。
ーーなかなか未経験の方には難しいところもありますか?
天辰さん:今のスタッフの中にも未経験で他業種から転職して来られた方もいますが、自身でプログラム経験があったり、IT分野への知見があるなど、ほぼ即戦力の方が多いのが実態ですね。そういう意味では、情報処理系の資格を有している方ですと、お互いにレベル感などが分かりやすくて良いかもしれません。
ですが、弊社としてはエンジニアの育成にも力を入れており、半年から1年ほどベテラン社員からのOJTを受けるような体制は整っています。例えばSESなどで経験を積まれた方が入社された場合などは、しっかりと活躍できるようになるかと考えています。
ーーなるほど。プロンプト・Kで働く上でどういった点がやり甲斐や面白さがあると考えていますか。
岩倉さん:業界全体の現状把握や課題を見通した上で、コンサルティングをしながら自社開発のソフトウェアを組み込んだソリューション開発を行っているところに面白みがあると思います。自身のスキルを最大限活かすことができるので、すでにシステムエンジニアとして働いているけど、もっともっと仕事の幅を広げたいと考えている方にはやり甲斐を感じてもらえるのではないでしょうか。そんなキャリアパスの先にある会社だと自負しています。
天辰さん:システムエンジニアの仕事は都会が多いですが、UターンやIターンなどで高知に戻ってきたときに選んでもらえるように、我々としてはエンジニアの育成体制や働きやすさをより強化していきたいですね。そのためにも高知のエンジニアを増やして、高知オリジナルの仕事も増やしていきたいので、同じ志を持った方にぜひエントリーしていただければと思います。
執筆:高津みなと
編集:芳村百里香
投稿日:2024年2月13日