“医療DX” への挑戦!パシフィックメディカル流の電子カルテ導入・インフラエンジニアの仕事に迫る

株式会社パシフィックメディカルは、高知県宿毛市に本社を構え、病院向けの電子カルテシステムの開発、営業、サポートを行なっている会社です。

2021年に医療ヘルスケア事業を手掛けるメドレー社のグループに参画し、パシフィックメディカルが開発している電子カルテシステム「MALL(モール)」は全国に広がっています。

今回は3度目ということで、働く人にフォーカスを当てて取材電子カルテの導入支援とインフラ構築をされている2名とメドレー社の人事担当者に、仕事の魅力や、やり甲斐、そして求める人物像について伺いました。

<パシフィックメディカルの企業風土などに踏み込んだ2回目の取材記事  【「持続的な医療を提供し続ける」ため、パシフィックメディカルが大切にする組織風土とは】はこちらから

 
取材

MALL事業部 オンボーディング部 インフラエンジニアグループ 濱口 文紀さん
MALL事業部 オンボーディング部 オンボーディンググループ 谷廣 波津樹さん
株式会社メドレー ヒューマンキャピタル統括部 第一TA室  医療PF採用グループ 石原 貴之さん

持続可能な医療の実現へ!医療業界の課題に挑戦するパシフィックメディカルのITシステムとは

ーーパシフィックメディカルさんの事業内容について教えてください。

石原さん:パシフィックメディカルは “医療を支える人が将来にわたって使い続けられるシステムを提供する” ことをミッションとし、主に中小規模の病院・有床診療所といった医療機関にITシステムを販売、導入しています。

ーーどのようなシステムを作っているのでしょうか。

石原さん:プロダクトとしては2つあり、電子カルテの「MALL」、そして医療施設・介護事業所間で情報連携を行う、「MINET(ミネット)」を提供しています。そういったITシステムの力で医療機関をサポートし、持続可能な医療を実現していくDX化を推進しています。

ーーなるほど。持続可能な医療の実現は地域にとっては不可欠ですもんね。ちなみにですが、実現にあたってはどのような課題があるのでしょうか。

石原さん:日本は諸外国に比べると病院の数は多いのですが、医師の数が少ないと言われています。要するに、人手不足とそこに起因した過重労働といった課題があり、日本の医療が成り立っているのは、ひとえに医療現場のみなさまの頑張りによるものと言っても過言ではありません。

一方、電子カルテは大病院などでは導入が進んでいる反面、中小規模の病院や診療所では半分程度しか広まっていない現状もあります。

ーー過重労働を少しでも減らすためには、電子カルテの導入は有効ですよね。でも中小規模以下の病院や診療所で、なかなか電子カルテの導入が広まらない理由などはあるのでしょうか。

石原さん:課題の1つに導入コストの問題があります。日本では、半数以上の病院が赤字経営という背景があり、コストが導入を阻む要因にもなっているんです。

そこで我々は、比較的安価で、かつカスタマイズ性に優れている電子カルテの開発を行い、医療課題にビジネス側からアプローチをしていきたいと考えています。

ーーカスタマイズ性も重要なんですね。

石原さん:はい、その点についてはぜひ、電子カルテの導入支援業務を行っている谷廣に詳しくお聞きいただければと思います。

3000以上のカスタマイズが可能!課題解決の鍵となる電子カルテ導入の仕事

ーーでは、電子カルテ導入担当として従事されている、オンボーディンググループの谷廣さんにお話を伺います。谷廣さんはどのような仕事をされているのでしょうか。

谷廣さん:一言で言うと、 “電子カルテを医療機関に導入し、それを使って医療従事者様が日常業務を行えるようにする仕事” ですかね。ひとつの案件は大体4ヶ月ほどなのですが、医療機関の方々にヒアリングを行い、理想の形を追求する。そして最後は我々も現場に入り、医療従事者様と一緒に電子カルテを日常業務ができるレベルまで使えるように持っていく、そこまでが導入支援の業務です。

ーーさきほど石原さんからは、「カスタマイズ性もMALLのウリのひとつ」と教えていただきましたが、MALLはどれぐらいカスタマイズできるんですか?

谷廣さん:現在、3000くらいの設定項目があります。

ーー3000ですか!

谷廣さん:そうなんです。医療機関に導入する際、現在の紙カルテの運用をヒアリングして、電子カルテの設定を決めていくのですが、運用方法は医療機関によってバラバラです。紙はレイアウトの自由さなどのメリットもあるので、そこに定型的な電子カルテを導入することは利用する方にとってデメリットになりうるんです。

それに医療機関によって、患者さんの対応フローも異なります。例えば先に診察をして次に検査する場合もあれば、その逆もあるといったことですね。電子化のメリットは皆様ご理解されているのですが、これまでのフローを変更することは負担にもなりえます。ですが、MALLという自由度が高い電子カルテを導入することで、これまでのやり方を踏襲しつつ、利便性も享受できるという訳です。

ーーだからこそ、カスタマイズ性が求められるのですね。

谷廣さん:はい。ユーザーの声に応えることを大切にしていくうちに、自然と3000ほどの設定項目がある電子カルテとなりました。今も新しい要望があれば、必要に応じて追加開発しています。システムを導入するのに、「これができないと困る!」ということが発生してはならないと思いますので、その要望を聞き出し対応していくのも、導入支援として重要な業務になりますね。

ーーMALLの利用継続率は99%とのことでしたが、オンボーディンググループによる柔軟性と拡張性が背景にはあるのですね。

谷廣さん:ありがたいことに北は北海道、南は鹿児島県まで全国にユーザーさんが広がっています。より日本全国に広まれば良いなと思っています。

社内外の繋ぎ役のお仕事。インフラエンジニアが担う、環境構築とサポートに迫る

ーー続きまして、インフラエンジニアである濱口さんにお話を伺いたいと思います。どのようなお仕事をされているのか教えてください。

濱口さん:MALLといったプロダクトを医療機関にしっかり導入し、問題なく運用するための環境を整えることが主な業務ですね。パソコンを設置したり、それらの配線を綺麗に配置するといった物理的なこともやりますし、論理的なサーバー機の構築といったことも行なっています。

導入時のサーバー構築と導入後の保守に担当が分かれていますが、私は主に前者を担当しています。

ーーインフラエンジニアの業務内容は少しイメージしづらい印象があるのですが、どういったことが仕事の難しさとしてあげられますか?

ひとつ挙げるとすると電子カルテは医療機関の多くの医療システムや医療機器と紐づいているので、それらに対する専門的な知識も必要ということですね。パソコンなどの汎用的な機器に関してもOSのアップデートなどで1年経つと、中身がガラッと変わることもあります。

ーーそれは確かに難しそうです。

濱口さん:私自身、飽き性な性格もあるのか、日々変化することに付いていくこと自体は楽しいですね。OS更新の情報が入ると、「どのように変わったのだろう」と予想しながら取り組んでいますよ。

ーー変化が好きな人にとってはやりがいのあるお仕事なのですね。では、保守はどのような仕事になるのでしょうか。

濱口さん:導入後の問い合わせ対応が主な仕事ですね。電子カルテは様々なシステムと連携し、膨大なシステムになることも多いですから、使用方法に関する連絡も多く頂きます。

ーーそのあたりは問い合わせグループとの連携も重要になってくるのでしょうか

石原さん:そうですね。使用方法に関するお問い合わせなどはまず、問い合わせグループの社員が対応しています。その後、必要に応じて、インフラエンジニアや開発に繋いで、トラブルシューティングをしています。

濱口さん:導入時はオンボーディンググループとも連携しますし、その後は問い合わせグループとの連携とインフラエンジニアは社外のネットワークだけでなく、社内でも繋ぎ役になるようなポジションかなと感じています。

より良い医療支援のため。パシフィックメディカルの根幹に見える、コミュニケーション力とは

ーーこれまでお話を伺っていて、パシフィックメディカルのお仕事の根幹には人とコミュニケーションをとることがあると感じています。普段業務をされていてそのようなことを感じることはありますか。

谷廣さん:社内・社外ともにコミュニケーションは重要ですね。導入支援するオンボーディンググループはだいたい4,5人のチームでひとつの医療機関に取り組み、医師、看護師などにそれぞれ担当を割り振って業務を進めます。良い導入をするためにそれぞれの情報共有は大切になってきます。

導入時には我々も現場に入り、診察室やナースステーションに実際に電子カルテの入ったPCを置かせてもらって 、使い方を共有したり、使用感を確認しています。医療従事者様にとって、忙しい中で新しいシステムの使い方を覚えることは負担になると思いますので、円滑に導入が進むように配慮することは重要なスキルだと思いますね。

ーーインフラエンジニアのお仕事でも同様でしょうか。

濱口さん:我々はどちらかというと医療機関の窓口になっているシステム管理者様とやりとりすることが多いです。1人の方と密接に関わることになるからこそ、関係性を良くすることは私自身にとっても、チーム全体にとっても大事なことですね。

谷廣さん:我々も4ヶ月ほど伴走すると医療機関の皆様と関係性ができるので、導入支援が終わり、引き上げるときは寂しい気持ちになりますね。先生や看護師様達が見送ってくれるなんてこともありますので。

ですが、「ありがとう」と感謝の言葉をいただきながらのお別れなので、それが次の案件でも良い仕事をしようというモチベーションにつながります。

ーー素敵なエピソードですね。良いシステムを提供したいという想いを感じます。

未経験でも活躍できる秘訣は “ドキュメントドリブン” というカルチャーにあり!

ーー仕事の内容について、たっぷりと教えていただきました。ここからはどのような方にこの仕事が向いているのかなどもお聞きしていきたいのですが、まずは簡単にお二人の経歴をお聞かせいただけますでしょうか。

谷廣さん:私は前職、東京で学習塾の講師をしていましたが、妻の地元に移住する通称「嫁ターン」で高知県に移住・転職することとなり、2023年の4月に当社に入社しました。

ーーえ、まだ入社して1年なんですか?全くそのように見えません!

谷廣さん:実はそうなんです。それに医療に関しての知識もゼロ、ITの知識もほぼ初めてに近いレベルでスタートしました。

ーー医療・ITの知識やスキルが少ない中で、パシフィックメディカルさんに決められたきっかけはなんだったんでしょうか。

谷廣さん:転職の軸として営業職といった “人と関わる仕事” を続けていきたいと考えていました。ですが、高知での転職となると水産業や林業といった一次産業が中心で、IT企業は数が限られていました。そういった点では転職はスムーズに進んだかなと思います。

特に当社に決めたポイントとしては “医療を支える人たちをサポートする” という考え方に惹かれたということですね。前職は私もプレイヤーとして仕事をしていましたが、その中でサポートをしてくれる方やシステムがあれば良いと感じていました。なのでパシフィックメディカルの事業はピッタリでしたね。

ーー濱口さんはいかがでしょうか

濱口さん:私は新卒で当社に入社しまして、最初の2年は宿毛の本社でシステムエンジニアに従事し、その後インフラエンジニアとして高知営業所に勤務しています。高知市内に戻ってきてからは6年ですね。

ーー入社のきっかけを教えてください。

濱口さん:高知県内でシステム開発をしている会社を探していた中で、医療分野へ展開しているのが当社でした。医療機関が顧客であれば安定性や伸び代があると感じて入社を決めました。

ーー濱口さんも社内でシステムエンジニアからインフラエンジニアに転身、谷廣さんも異業界からの転職とのことで、新しいことにチャレンジするにあたり、最初は苦労なども多いのではないでしょうか。

濱口さん:弊社の文化として、 “ドキュメントドリブン” という考え方があります。仕事を始める際にドキュメントを先に書き出し、それを駆動力として活用してチームが効率的に動けるようにするということです。またそうしたドキュメントをしっかりと残すことで、得た知識や経験を次の人に引き継いでいくことができます。

谷廣さん:それらのドキュメントはシンプルかつ無駄のないものとして残っていますので、私のような未経験者にもフレンドリーです。手順書などもしっかりと残っているため、OJTを受けながら手順などを自分でも学ぶことができました。

困っている人を助けたい方大募集。パシフィックメディカルで日本の医療を支えませんか?

ーー最後に会社の福利厚生や職場の雰囲気について、そしてお二人の目標などをお聞かせください。

石原さん:福利厚生についてはユニークなものはあまりないかもしれませんが、一般的な企業に求められる基本的な制度はしっかりと揃っていると思います。医療業界なので固いイメージを持たれる方も多いですが、社内での服装は比較的自由で、高知営業所などはフリースペースなども事業所内にあり、イマドキな職場という雰囲気を感じてもらえるのではないでしょうか。

キャプション:高知営業所内にあるフリースペース。お昼ご飯を食べたり、従業員同士の会話も楽しむことができます。

谷廣さん:私は地元が高知県ではないので、会社のメンバーとも半分プライベートでも友人という感じです。今度同僚とBBQをしようと声を掛け合い交友が広がっていて、和気藹々とした良い雰囲気で仕事ができていると思いますね。

濱口さん:私は趣味が車とバイクで、よくドライブ、ツーリングで遠方に行きます。そういった面で出張でいろんなところに行けることも楽しいですね。

ーー楽しみつつも業務に向き合っていけるのは魅力ですね。それでは今後のお二人の目標を教えていただけますでしょうか。

谷廣さん:まだ入社して1年ほどですので、より一層スキルを獲得し、会社にどれだけ貢献できるのかも楽しみのひとつとして日々の業務に取り組んでいます。そして世帯を持って仕事するのが難しいと思われないように、自身がそのモデルケースとなり、どの世代でも活躍できる職種にしていきたいと思います。

濱口さん:今までは自分のことで精一杯でしたが、いつの間にか中堅どころになってきましたので、後輩やメンバーのスキルを伸ばして、チームとしてより強い体制を作っていきたいというのが今の目標ですね。

ーー最後に改めてどのような方に入社いただきたいか教えてください。

石原さん:電子カルテ導入インフラエンジニア、その他の職種も共通しているのは、 “困っている方を助けたい” という想いを持っている方が多いことです。その想いが強い方は向いていると思いますし、課題解決に貢献できたときにやり甲斐を感じてもらえると思います。未経験でも入社後のサポートがありますので、経験の有無も大切ですが、我々の想いに共感してくださる方は、ぜひエントリーしてみてください。

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ライターの感想
日々の安心した日常に必要不可欠な医療、その医療従事者の方々をサポートしている方々の話を伺い、良い基盤があるからこそ、その上に良質な医療が成り立っている、良い仕事は連鎖しているのだなと感じました。これからますます医療の重要性が増す中で、持続可能な医療の実現のために、たくさんの方に興味を持っていただき、サポーターの分野でも活躍する方が増えていって欲しいなと思います。その一助になれば幸いですね。
この記事を書いた人
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高津 みなと

大阪府出身。エンジニアとしてメーカー入社後、広報職に転身。SNSやメディア活用に興味があり、webライターとしても活動しています。
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