東京から高知県四万十町へ!ITと農業で二足の草鞋を履く「LIFE SHIFT」とは? #LIFE SHIFTインタビューvol.1

東京大手のIT企業で20年以上のキャリアがありながら、農業をするために高知県四万十町に移住された神林潤さん。

四万十町での専業農家生活を5年経験された後、今後の生き方・働き方を模索され、農業だけでなく“もう一つの仕事=パラレルワーク”として、2021年4月にIT企業「e-Janネットワークス株式会社」にBUNTANをご利用いただき就職されました。

“平日にITの仕事、週末に農業”という生き方を実施されている神林さんに、移住からのジョブチェンジ、二足の草鞋を履きながらの生活、そしてパラレルワークが持つ生き方の可能性についてお話を伺いました。

何故高知!?「せっかくなら、都会では不可能な暮らし方をしてみたい!」

――神林さんは、東京から四万十町へ移住されたと聞きましたが、何故高知だったのですか?

神林さん:実は、最初から「高知!」と決めていたわけではなかったのですが、子供が生まれるタイミングで、漠然と「地方で子育てをしたい」と思ったんです。

旅行に行く度にいろんなところを見たりして、高知に限らず幅広く探していました。

――高知以外の候補地があったんですか?

神林さん:最初は福岡などの地方都市も候補地にあがったのですが、地方都市は都会すぎると思ったんです。
自分の中で「東京から移住するのに、東京と同じ暮らしを地方に求めるのはどうなんだろう」という疑問があって、せっかくなら「都会ではできない暮らし方をしたい」という想いがありました。

その点、四万十町は比較的高知市からのアクセスがいいのにも関わらず、自然も多く残っていて、食べ物も美味しいですしね。

いろいろ見てきたなかで本当に印象が良くて、とても気に入りました!

――確かに四万十町は自然がありながら、利便性もいいですね。

神林さん:そうなんです。実は就農する段階で、将来農業をやめた場合の就職や、子供が大きくなった時に通学する可能性も考えて“高知市へ通いやすい場所”というのも考慮したんですよ。

全く後戻りできないという状況は怖いじゃないですか。だからリスクヘッジの意味で“環境的な変化があっても対応できる場所”というのも考えましたね。

また、農業に関しては長年関心があったのですが全くもって素人だったので、完全に移住してしまう前に農業についてしっかり勉強してみようと思ったんです。

今はもうなくなってしまったのですが、土佐町にあった有機農業の学校で学ぶことにしました。

そこは農業の素人に教えてくれる学校だったので、研修期間は1年なんですけど、「まずはそこで勉強してみてから、農業を本格的にやるかを考えよう」くらいの気持ちでしたね。

「自分の人生これでいいの?」社会と関りを持ちながら自分自身を学べる農業の道へ

――意外ですね。東京大手の会社を辞められての移住なので、「がっつり農業をやるぞ!」というスタンスだったのかと思っていました。

神林さん:それはなかったですね。農業って現実的に見た場合、儲からない可能性が高いんですよ。

だから「稼ぎたい=農業」っていう選択にはなかなか至らないですし、お金を重視するなら別の稼ぐ方法を考える。

でも、農業を通じて自分自身の学びとか、得られるものがたくさんあるので、儲かるかどうかに関係なく、農業をはじめてみたかったんです。

ですが、その農業に対する気持ちが今後どう変わっていくかっていうのは自分でも図り切れないところがあったので、「まずは学んでみて、そのまま高知に残るか、また別のところに行くのかを考えよう」という気持ちでしたね。

――ITのキャリアについてはどのように考えられていたんでしょうか?

神林さん:もちろん最初は ITの仕事に就くことも考えていたのですが、先ほどもお伝えしたように“結局住む場所が変わっただけで、やることは同じ”というのは、どうなのかなと思ったんです。

会社員という立場で給料をいただきながら、そのお金で何かモノを買ったりサービスを受けたり、お金を中心に回る社会に深く組み込まれているような生活。

「自分の人生、それで本当にいいの?」という、自分自身への問いが生まれて、結果的に興味があった農業の道に進みました。

東日本大震災での葛藤。たどり着いた変化することの意味

ーーお話を伺って思ったのが、「すごい決断力」!ということと、率直に「奥様がご理解がすばらしい」なと…(笑)

神林さん:それは本当にそうです。周りからも「よく許してくれたね」って言われます(笑)

ーーそれでも移住を決断されたのは、お二人の中で「お子様の教育」という優先順位が高かったからでしょうか?

神林さん:そうですね。子供の教育でいうと、小さい頃はいろんな自然を親しみつつ、自然を通じて社会の仕組みを肌で感じてほしいという想いがありました。

例えば、食べ物はどうやって作られ、どう流通し、いくらで売られていくのか?とか。

教科書や本、あるいは、テレビやネットでも学ぶことは出来るかもしれませんが、実際に体験しながら学ぶのは地方のほうが適切かなと思ったんです。

でも、移住したきっかけは子供の教育という部分も大きいですが、私自身、東日本大震災の影響も大きいと思いますね。

震災は多くの人にとって衝撃的な出来事だったので、世の中にもすごく影響を与えたというか、「何かしら世の中が変わらないといけない!」みたいな雰囲気になったじゃないですか。

でも実際は、何も変わらずただ時間だけが過ぎてしまう。自分自身も結局そのまま仕事をしている自分がいて、それにすごくもやもやして…。

何か少しでもいいから行動に移さないとという思いがあったんだと思います。

ーー今コロナ禍で同じような思いをされている方もたくさんいらっしゃるのかなと思いますが、どうですか?

神林さん:人が何か行動する時って、その理由や根拠をまず考えると思うんですが、私の場合、移住も就農もその辺をあまり深く考えずに感情と勢いでやってしまったので、私自身、今もよくわからないままここにいる感じですけどね(笑)。

でも結果として、変化していくことが大事なんだなと、少しわかってきたという感じですかね。

高知で就農して5年経った今、パラレルワークを決断した背景とは

ーー改めて、今このタイミングで農業とIT両方やっていくんだと決断された背景を教えてください。

神林さん:農業はとても楽しくやりがいもあるので止めようと思ったことはなかったのですが、両方やることに決めた一番の理由はやはり収入です。

5年農業を続けると、だいたいの自分の稼ぎが分かるようになりました。

5年の間に天候不順があったり農作物が病虫害でやられたりして、もちろん自分の技術力不足もあるのですが、思うように収入が伸びなかったりもしましたし、農業の収入は耕作面積に比例する部分も多いのですが、今の経営面積のまま10年20年と続けていくのか、あるいは耕作面積を拡大して従業員を何人も雇ったり大型の機械を導入して規模拡大していくのか等、自身の仕事の将来について具体的に考えるようになりました。

ーーなるほど、5年間農業を本気で実施されたからこそ、分かったことがあるということですね。

神林さん:そうなんです。そんな中、コロナがやってきて、時代的にも複業やパラレルワークという働き方が強く注目されるようになりました。自分がパラレルで何かするならやはりITだろうと。

繰り返しになりますが、農業自体は楽しいし、やりがいもある、大きな学びもあるので、「やめたい」と思ったことはなかったのですが、現実問題として収入や限られた自分の時間を何に使うべきか等を考えたときに、農業とITのパラレルワークというのは自分にとっていい選択肢ではないかと思ったんです。

悪い点は何もない!?実際に体験して感じた、パラレルワークのメリットとデメリット

ーー実際に農業とITとのパラレルワークがはじまって4ヶ月ほど経ったと思うのですが、はじめてみて感じた良い点や悪い点を教えてほしいです。

神林さん:良し悪しでいうと、正直悪い面は何も感じていないというか、良い面しかないですね。

当初の課題であった収入面は安定しましたし、農業に関してもメリハリがついて集中力が増し、より一層楽しくなりました。

今は主にITの仕事を平日にして、週末に農業をしているんですけど、週末の限られた時間を有効に使わなければならないので、農作業の効率化が進んで時間の使い方が上手になりました。

e-Janネットワークスさんのオフィスで実際に働かれている様子

ーーパラレルワークをはじめてみて、悪いところがないというのはいいですね。

神林さん:働かせてもらっている会社の理解があってこそなので、とても感謝しています。

今働いている会社は、20年前からテレワークに注目されていた会社なので、働き方がとても柔軟です。

基本的にテレワークが可能ですし、フレックス制やワーケーションを推進されていたりとか、とにかく働く人のことを考えてくれていますね。

自分のように、ワークとライフの間に何かを主軸にしたいと考えている人にはとても働きやすい環境だと思います。

ーー1点心配するのが、パラレルワークを続けると、神林さんのオフの時間がなくなるのではと思うのですがどうでしょうか?

神林さん:農業は収入が得られるのでワークとして捉えられる部分もありますが、私のやっている農業は大規模な工業的生産をする農業でなく、自然を生かした小さな農業なので生活と一体な部分もたくさんある。

つまり私にとっては「ワークでもあり、ライフでもあるんですよ」。

週末の使い方といったところで、都会だったらエンターテインメントが多いですし、“週末どこかに出かけて、美味しい物を食べに行く”みたいな、平日働いて得たお金を使って消費行動をすると思うんです。

でも地方だとそういう流れになりにくいじゃないですか。

だから、週末の使い方としても農業という選択はとても充実していると思っています。

楽しいしお金にもなるし、生産性もあって、地域とも繋がれる。健康にも良い。だから無理をしなければ、とてもいい週末を送れているなと思います。

ーーなるほど。収入が安定したことで精神的な余裕が生まれて、より楽しみながら農業が出来るようになったということもありそうですね。

神林さん:そうですね。自分の生き方、働き方を考えたときに、一流の大規模な農家さんのように“人をたくさん雇って、大きな機械をたくさん使って、広い面積を耕作して、農作物を大量生産して!”という農業ではなく、自分の目が届く、今の働き方の方が自分にしっくりきたんだと思いますね。

ITも農業もしっかりやっていく!神林さん流「LIFE SHIFT」な生き方

ーーでは最後の質問になりますが、神林さんが考えられている今後について教えてください。

神林さん:せっかくパラレルワークをする機会に恵まれたので、とにかくITも農業もきっちり頑張っていきたいと考えています。

ITの仕事に関しては、新規事業を立ち上げる部署に配属されているので、農業の切り口から新規事業が生み出せないかなど、自分に出来ることを考えながら日々頑張っています。

農業に関しては、パラレルワークに適した効率的な農作業が可能になるような、栽培技術や品目選定を追求していきたいですね。

たとえばキュウリとかオクラなど、品目によっては毎日収穫しないといけないものがあったりしますが、そのような品目でパラレルワークは難しいですね。

あと、ハウス栽培だと水やりとか換気の手間がかかるので露地栽培中心にするとか。

ーーパラレルワークに適した農業!

神林さん:そうです。農業ってある意味正解がないので、それが難しい部分でもありながら、楽しい部分でもありますね。

農家さん一人一人が創意工夫されているポイントなので、自分なりの答えを導くのが楽しいです。

ーー今日お話を伺って、神林さんの生き方はまさに「LIFE SHIFT」という言葉がぴったり当てはまるなと思いました。
今の時代、生き方としてパラレルワークや副業を模索されている方も多いので、そういった方々にたくさん読んでもらいたいですね。

神林さん:そうですね。そういった方々にどんな質問されてもいいように、ITも農業もしっかりやっていくのが当面の目標です!

ーーお話ありがとうございました。

◆お勤めされている企業
e-Janネットワークス株式会社 https://www.e-jan.co.jp/
取材記事  https://buntan-shikoku.media/e-jan-networks/

◆神林さんのHP
神林農園  https://www.kambayashifarm.com/

転職のご相談はこちら

https://buntan-shikoku.media/soudan/

ライターの感想
神林さんの生き方を通じて「人生一度きり!やりたいことをやっていいんだ!」と背中を押してもらったような気になったのは、きっと私だけではないはず! 一人一人がそれぞれの価値を大切にしながら生きる時代。半農半Xという言葉もありますが、何か一つだけに絞って従事するのではく、パラレルワークや副業を通じて複数の仕事ややりたいことを楽しむ生き方もいい!まさに「LIFE SHIFT」の時代に適した神林さんの生き方を垣間見ることができ、明日への希望に繋がる素敵な取材となりました。
この記事を書いた人
芳村 百里香

芳村 百里香

奈良県生駒郡出身。京都の大学に通う中で知った”本場高知のよさこい”に魅せられ、2012年に高知市に“よさこい移住”としてIターン。単身地方移住の経験から地方創生や地方コミュニティに関心を寄せている。高知愛を綴るべく「高知移住ブログ」を発信しながらライターとしても活動中。 高知移住ブログも連載中。
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