昨今、「副業」・「テレワーク」といった、多様性ある働き方が認められつつあります。
IT企業に限らず、パソコンやスマートフォンがあればできる仕事は、インターネットにさえ繋がっていれば場所は選びません。
そんな中、テレワークが大きく懸念される要因として「セキュリティー」の問題があります。
例えば、出先や電車の中に会社のパソコンを忘れてしまった場合、個人情報や会社の機密情報が流出してしまえば会社の大きな損害に繋がります。
そんなテレワークによるセキュリティーの問題を解決させているのが、
e-Janネットワークス株式会社の「CACHATTO(カチャット)」というサービスです。
今回は、2018年12月に高知県の誘致企業として開設された、
e-Janネットワークス株式会社 高知テクニカルセンターのセンター長である篠崎さんと、QAエンジニアの川村さんにお話をお伺いしました。
e-Janネットワークスとは
ー「e-Janネットワークス」は何をしている会社ですか?
篠崎さん:一言でいうと「CACHATTO(カチャット)」というリモートアクセスサービスを提供している会社です。
法人向けマルチデバイスプラットフォームとして、7年連続で日本No.1のシェア(約40%)です。
導入企業が1100社以上、50万を越えるユーザー様にご利用いただいており、年間約14億円の売上げになります。
ーそれはすごいですね!ところで“CACHATTO”は何ができるのでしょうか?
篠崎さん:最近、場所を選ばずに仕事ができる“テレワーク”が話題になっていると思いますが、
懸念される理由として、「情報セキュリティー」や「システム導入の障壁」、「マルチデバイス対応」が挙げられます。
当社では独自の技術で国際特許を取得しており、CACHATTOは、セキュリティに対する懸念を払拭するだけでなく、
簡単に導入ができ、かつマルチデバイスに対応しているテレワークを実現させてくれるものです。
詳しくは、URLをご参照ください https://www.cachatto.jp/product/merit/
高知テクニカルセンター センター長の篠崎さん
ーテレワークが実現することで、効率化・生産性が向上するだけでなく、極端な話、事務所が不要になるのでコストの削減に繋がるということですね。
それでは、なぜCACHATTOを開発することになったのでしょう?
篠崎さん:当社の創業は2000年で、当初はBtoCのサービス提供をしていました。
まだスマホが日本で普及する前ですね。
篠崎さん:他のシステムも開発・提供している中、クライアントから「社内メールを携帯電話で閲覧できるシステムは作れないのか?」とご要望をいただきました。
そんなお声からヒアリングを重ね、2002年にBtoBとしてできたのがCACHATTOの前身「カチャットサーバーVersion 1.0」です。
社内メールを社外からでも携帯電話で閲覧できるリモートアクセスサービスです。
ーなるほど。しかし、当時は“働き方”や“リモートワーク”という概念そのものが無かったと思いますが…
篠崎さん:もちろん当時はガラケーの時代ですしね。
転機となったiPhoneが発売されてからは、すぐにCACHATTOでも使えるようにしていたそうです。
代表の坂本は「これからは場所を選ばすに、スマホで仕事をする時代が必ずくる」そう思っていたそうです。
それからは啓蒙活動の意味も込めて、スマホの可能性についてお客様へ説明にまわっていました。
今でこそ「テレワークにセキュリティを」とうたってますが、最近までは「リモートアクセスサービス」と言う名目で売り出していました。
ーまさに先見の明ですね!
篠崎さん:そうですね。ようやく当時の想いを受け入れていただきやすくなってきたと思います。
高知テクニカルセンターについて
ー高知テクニカルセンターでは具体的に何をされているのでしょうか?
篠崎さん:主に、CACHATTOのテスト事業を行なっています。
新しい機能が正常に動作し問題はないか、様々な端末で利用できるか、OSのアップデートをしても正常に動くかなど、これまで本社で行なっていたことを、専門部隊として高知でやっています。
ーありがとうございます。開設されてから、半年以上になりますがいかがですか?
篠崎さん:本当にあっという間でした。スタートのメンバーも最初は皆緊張してましたが、今ではのびのびと集中して仕事ができるようになってきたかと思います。
リフレッシュスペース
また「社員が仕事を通じて幸せになる」という経営方針を、高知でも実現できつつあるかなと思います。
ー例えばどんなところでしょうか?
篠崎さん:働きやすい場所や制度などの環境面や福利厚生もそうですし、仕事の仕方などと、とにかくベストパフォーマンスを発揮いただけることが立ち上げからのミッションでもありました。
良いと思うことは都度改善していたり、7月からフレックスタイム制を高知でも導入する為に準備をしています。
スタンディングデスクでは、社内会議の他、モニターを使って本社とのweb会議が可能
ーHPにも記載されている「理想的な組織からは健全なビジネスが生まれる」と言う仮説を、正に実証されているのですね!
フリーアドレス制を採用されているんでしたっけ?
※フリーアドレスとは、社員が個々に机を持たないオフィススタイルのこと
篠崎さん:そうですね。ただどうしても同じ所に座りがちなので、今週はチャレンジ週間として毎日違う席に座ってみる試みをしています。
ー面白いです。高知ではフレックスタイム・フリーアドレスを導入している企業さんは珍しいかもしれません。
篠崎さん:働く上で最適な環境があれば、最大限のパフォーマンスを発揮できると当社では考えています。
ー毎年業績を伸ばされている理由は「働く環境」にありそうですね!素敵です!
いいじゃん!と言いたくなる独自の制度
ー先ほどフレックスタイムやフリーアドレスについて話がありましたが、他に独自の制度や福利厚生はありますか?
篠崎さん:スマホ手当がありまして、毎月定額で手当を支給しています。
ーガラケーの方は対象にならないんですか?
篠崎さん:それが出るんですよ。笑
代表は最新デバイスが好きなので、社員に対しても「最新機器になるべく触れて欲しい」という思いを込めてです。
ー素敵です!
篠崎さん:あと東京では「e-Jan昼市」という、契約農家直送の無農薬野菜を職場に用意して半額で提供しています。
ー無農薬野菜を会社で買えるとはすごいですね!
篠崎さん:書籍購入制度や資格補助制度などもあります。
ー制度がとても充実していますね。高知テクニカルセンター特有の制度はあるのでしょうか?
篠崎さん:そうですね、、、某ドイツの高級外車が社用車です。笑
ーあのベ○ツですか!驚くべき福利厚生です!
篠崎さん:高知テクニカルセンターはできたばかりですので、高知ならではの制度をこれからも考えていきたいと思っています。
グローバルな発想と視点はどこから生まれた?
ー良い意味で日本っぽさがない企業文化・視点があると思うのですが何か背景があるのでしょうか。
篠崎さん:はい、代表の坂本が計10年間海外生活の経験があります。
大手企業で働きながらアメリカの大学へ留学しMBAを取得するなど、起業をする前からグローバルな目線、視野を広く持つことを大事にしていたようです。
それが人材である社員にも影響していて、現在会社には10ヶ国以上の外国籍の社員がいます。
ー会社そのものがグローバルですね!
篠崎さん:そうなんです。ちなみに外国籍の社員は日本語が上手なので、コミュニケーションには苦労しません。
日本語や英語、中国語などを学べる制度もあり、週に1時間は専任の講師と一緒に学習ができます。
会議や語学学習で使える防音性の高いBOX部屋。四国初導入らしいです。
ーそれはいいですね!様々な国の方の価値観に触れることができますし、とても勉強になりそうですね。
ちなみに篠崎さんは海外へ行かれていた経験はあるんですか?
篠崎さん:私は2年間イタリアに行ったことがあります。
ーイタリアですか!
篠崎さん:元々入社する前は、日本でオペラ歌手をやっていました。
なのでイタリア語の勉強もそうなのですが、本場イタリア全ての文化に触れたいと思いました。
1年間の予定が結果的に2年いましたね。笑
ー羨ましい限りです!青の洞窟に行ってみたいです!笑
やはり他国への留学経験や英語がペラペラでないと入社は厳しいのですか?
篠崎さん:そんなことは全くありません。ただ、社内でコミュニケーションを取る際に英語を使うことはあるので、
英語で話すことが好きな方は向いているかもしれませんね。
ーなるほど。少し話がズレてしまうのですが篠崎さんはどちらのご出身でしたか?
篠崎さん:東京生まれ、東京育ちです。
ーそんな気がしました!高知での休日は何をされていますか?
篠崎さん:そうですね、、、オーガニックマーケットにはまっていて、運動も兼ねて自転車で行ってます。
14〜15kmあるので結構遠いのですが、、、笑
ー結構な距離ですね。笑
篠崎さん:高知の食べ物が美味しくてついつい食べてしまうので。笑
ー確かに美味しいものが多いですね!ありがとうございます。
高知テクニカルセンターが目指す先
ー最後に、今後の目標について教えてください。
篠崎さん:当初より、「テクニカルセンターでは終わらせたくない」という想いがあり、
今は「高知クリエイティビティセンター」を目指しています。
ー高知クリエイティビティセンターになることで、具体的にはどんなセンターになるのでしょうか。
篠崎さん:テスト事業だけでなく、開発やカスタマーサポート、東京でやっているバックオフィス業務なども
高知でできればと思っています。
その為にも、組織づくりとして“多様性”を大事にしていきたいと思ってます。
ー“多様性”ですか。
篠崎さん:はい、これから入社される方はきっと色々なタイプの方々になると思います。
違うタイプの方に対して、萎縮するのではなく「どんな人なんだろう!?面白そう!」と、思えるような価値観や組織作りを目指しています。
ー面白いですね。東京とは違った高知の色がこれからもどんどん出てきそうですね!
続いて、QAエンジニアの川村さんにお話をお伺いしました。
「平日はIT、休日は釣り」QAエンジニアの追い求めるものとは!?
ーよろしくお願いします。早速ですが、入社してどれくらいになりますか?
川村さん:高知テクニカルセンターのスタートメンバーとして、半年を超えました。
ースタートメンバーなんですね!どんなお仕事をされているのでしょうか。
川村さん:QAエンジニア(quality assurance engineer)をしています。
開発した製品の品質がしっかり保たれているか、世に出す前に最終チェックをする業務です。
川村さん
ー重要なお仕事ですね。具体的にはどんなことをされるのでしょうか?
川村さん:例えば、重要なセキュリティに穴がないか、何か抜けがないか、又機能が正常に動作するか、バグがないかを仕様書に沿って確認していきます。
品質の確認を経て、世に出すか否か判断を下す最後の工程なので、とても重要な役割になります。
ーとても重要なお仕事ですね。専門技術や知識は必要なのでしょうか。
川村さん:それほど難しい知識は必要ではありません。
ただし、テストをして終わりではなく、「どこが悪いのか」「どう直したらよいか」を具体的に開発側へフィードバックする必要性があります。
その原因追求と修正案を出すのは、経験と知識が必要だと思います。
ーありがとうございます。QAエンジニアとして必要なスキルは何でしょうか。
川村さん:開発の知識ももちろんあるに越したことはないですが、やはりコミュニケーション能力が大事だと思っています。
開発側とこちらの意思がしっかりと共通理解しないといけません。
しっかりコミュニケーションを取り、お互いの意図を理解することが業務上必要だと考えています。
ーなるほど。川村さんは未経験でIT企業へ入社されたとのことですが気持ちの変化はありましたか?
川村さん:IT業全体なのかはわかりませんが、当社は厳しいルールがありません。
働きやすい環境で、自由な発想を大事にし、自己の成長に繋げる。結果として、会社へフィードバックできると言う考えです。
最大のパフォーマンスが発揮できれば会社そのものが成長していく、すごく良い意味で考え方が変わりました。
ーとても興味深いですね。
話は変わりますが、普段プライベートでは何をされていらっしゃるのですか?
川村さん:海釣りをよくしています。最近ゴムボートを買って、少しだけ釣りに行ける場所が広がりました。
ーゴムボートとは少し本格的ですね。笑
川村さん:あとはバイクに乗るので、夏から秋にかけてはツーリングをしていると思います。
ーツーリング気持ち良さそうですね!今後プライベートでの目標は何かありますか?
川村さん:陸からカツオを釣って、その場で藁焼きして食べたいです。笑
ー斬新ですね。笑
最後に、お仕事について将来の目標を教えてください。
川村さん:どうすれば良いものが作れるか、又は更に良いものを作るためには、どのような仕様にすると良いか、
など開発ともっと連携を取りながらトータル的に品質保証ができるようにしていきたいと思います。