馬路村から全国へ!「株式会社ユニオンネット」が設立する新オフィス「mitone design.」にかける熱き想い

株式会社ユニオンネットは、大阪に本社を置くWeb制作会社です。

2022年春、高知県の馬路村にWebデザイン・ブランディングを手掛ける「mitone design.(ミトネデザイン)」を開設することを発表しました。

新しいオフィスの仕事内容や求める人材像、開設に至った経緯について、代表取締役の丸山さんにお話を聞きました。

Webサイトの制作から運用・SEO・広告まで、ワンストップでサービスを提供

――ユニオンネットさんは何をしている会社なのか教えてください。

丸山さん:当社は大阪にあるWeb制作会社で、今年で19期目を迎える会社です。

Webサイトの制作をメインに、運営やSEO、広告・コンサルティングを手掛けています。

広告やコンサルを行い、社内にデザインチーム持つ点では小さな広告代理店のような立ち位置かもしれません。

また、取引先には町の小さなお肉屋さんから上場企業まで幅広いという特徴もあります。

直接取引のお客様がメインのため、意思疎通がスムーズでスピード感のある対応にも強みがあります。

――社員さんの人数や男女比はどんな感じですか?

丸山さん:スタッフは現在30名で、男女比は6:4です。

年齢層が幅広く、20代前半〜50代半ばまで在籍しています。

――ユニオンネットのここが面白い!という強みについて教えてください。

丸山さん: 私は「みんなのやりたいことが、その会社の色になるのが一番」だと考えています。

ですから、方向性をあまり示しすぎないようにしていますね。

これには賛否あると思いますが、シンプルに声が大きくて主体性のあるスタッフの意見が通りやすい会社です。

あれもやりたい、これもやりたいという欲張り屋さんが活躍できるのが当社の面白いところだと思います。

全国に通用するデザイナーを育てたい

――今回、馬路村にオフィスを設立された理由についてお聞かせください。

丸山さん:理由は2つあります。

1つ目は、馬路村への移住者を増やし、雇用を生み出すためです。もともと私は地方創生に関心がありました。

馬路村という全国的に知名度のある地域とつながりができたときに、地方創生の観点から村に対して何かできることはないかと考えるようになったのです。

村の方と色々とお話する中で、私ができるのは雇用を増やすことだと思い、オフィスの設立に至りました。

2つ目は、地方にもクリエイティビティあふれる制作現場をもっと作るべきだと考えたからです。

Web業界では、都会の方が単価は高く、地方は安いというイメージはまだまだ根強くあります。また、地方は制作会社も仕事も少ないという声も聞きます。

しかし実際は、数が少ないだけで地方にも腕の良いデザイナーや良い会社はあります。

実力のある人がいるところに実力のある会社ができ、ますます能力のある人材が育っていく循環だと思うんです。

そういう環境が地方を含めてもっと増えなければ、デザイナーは育っていかない。

業界を盛り立てるための地方創生がしたい」という想いに近いかもしれませんね。

–なるほど。素敵な想いです。

丸山さん:コロナ禍になりデザイナーの職務はリモートでも可能になりましたが、より実力主義になっています。

地方での働き方が補助的なものではなく、しっかりと実力を伸ばし地方から全国に名をとどろかせる拠点を目指したいと考えています。

それが実現できれば、本当の意味でリモートでも活躍できる環境や人材が出来上がると思っています。

――大阪本社と、馬路村の「mitone design.」は業務内容にどんな違いがありますか?

丸山さん:大阪はWeb制作会社ですので、高知もスタートは同じ形です。

大阪は、中~大規模クライアントへのWEBマーケティングが中心。

一方で高知は、小規模クライアントに対するブランディングやデザイン業務が中心になります。

はじめは大阪の下請けのような構図になってしまいますが、「mitone design.」はユニオンネットの高知支社ではなく、アパレルでいう所の「セカンドライン」をイメージしています。

「mitone design.」で取り組むのは、企業ブランディングに特化したWebデザイン

――「mitone design.」の名前の由来について教えてください。

丸山さん:「mitone」は「実と根」からきています。

Web制作もそうですが、デザインは普通に作れば一時的な成果は出ると思っています。

一番難しいのは、その効果を継続させることです。

デザインの効果を継続させようと思うと、自分たちに似合うようにスタッフ1人1人に愛着が「実り」、ブランディングの側面からすると社会に「根付く」ことが重要です。デザインは作ってからがスタートなので。

「実る」「根付く」をキーワードに、企業が持つ課題をデザインで解決したいという想いがこの名前に込められています。

――「mitone design.」で挑戦したい事業についてお聞かせください。

丸山さん:Webサイトでもパンフレットでも、ご依頼理由の多くは、「古くなってきたから」が大半を占めます。

しかし、本来は古いことが悪いのではなく、古いことによる本当の課題が存在します。

お客様の課題をしっかりと言語化し、「こんな会社を目指したいからWebサイトをリニューアルするんだ」という目的意識を持つことが重要です。

そこで、私が企業内に入っていき、ワークショップなどの体系的な方法で様々な課題を明らかにすることに挑戦してみたいと思っています。

実際の現場の声を聞き、課題の洗い出しを行い、クリエイティブな制作物に落とし込んでいくイメージです。

これは自身のデザイナーとしてのキャリアと、これまで組織づくりに取り組んできた知見も活かせるのではないかと考えています。

――そうすれば、実際の現場とのギャップが少なく、かつ企業の目指す将来像に近い制作物が出来上がりますね。

丸山さん:デザインとブランディングは、突き詰めれば経営課題に行き着きます。

世の中ではずいぶん前からデザイン経営の重要性が認識されていますが、まだまだその流れは一般的ではありません。

全社でワークショップを実施するなど、企業内での場づくり・雰囲気づくりを含めたサービスの提供を少しずつ実現していきたいですね。

クリエイティブな制作物をゴールとして、それに必要な課題の洗い出しとデザイン設計をお客様と一緒につくる。

それが「mitone design.」でやろうとしているブランディング事業の一つです。

休日はドライブで遠出 運転で気分をリフレッシュ

――丸山さんのプライベートについて教えてください。

丸山さん:名刺に「働くを楽しく」と書いてあるのですが、仕事に限らず何でも楽しくやりたいタイプなんですよね。

だから、純粋に自分の楽しいと思うことをやっています。

――楽しいと思える瞬間は、例えばどんなことですか?

丸山さん:ドライブが好きなので、奥さんと子ども3人を連れて関西圏のイオンモールを制覇したり、ちょっと遠くの公園に遊びに連れて行ってあげたりしています。

運転中に奥さんや子どもとコミュニケーションが取れる時間と、遠くまで行ったという達成感が好きですね。

例えば今回の馬路村オフィスだと高知市内から馬路村までは70キロ近くあり、よく「移動が大変ですね」と言われますが、それほどストレスを感じません。

もちろん、まだ非日常な体験ではあるのですが、運転の時間は考えごとをしたり無心になったりできるので好きな時間です。

デザインだけでなく、ブランディングへの理解も深められる人と働きたい

――将来は「mitone design.」をどんな組織にしていきたいですか?

丸山さん:10人様のバンガローを改修したオフィスなので、最終規模としては6名くらいの組織を考えています。

ユニオンネットの高知オフィスではなく、一つの独立した組織で、ブランディングとデザインをする「チーム」のようなイメージですね。

全国の制作会社や代理店から仕事を請け負ったり、地場の高知県内の仕事もいくつか手掛けたいと思います。

ーーなるほど。組織の目指す方向はいかがでしょう?

丸山さん:そもそも、馬路村でクリエイティブ職をするということは、周りの情報をシャットアウトして働こうとしているわけです。

そんな中でも活躍するには、組織に属さなくても働ける独立志向を持たなくてはいけません。

ですので、大阪本社に関係なく、馬路村で自走する組織づくりを徐々に目指していきたいですね。

――「mitone design.」で一緒に働きたいのは、どんな人ですか?

丸山さん:ヒトやモノのブランドづくりに興味ある人ですかね。

企業が本当に求めているのは、Webサイトを新しくすること、ロゴを変えること、ではなく、イメージを変えてお客様や取引先に新しい価値を提供することです。

デザイナーはその本質を理解する必要があります。

もちろん採用の段階でそこまで求めることはありませんがキャリアとしてはそこを目指して欲しいですね。

デザイナーは仕事柄、手段が目的化しやすいですが、ここ最近では上流工程、つまり経営課題に近い位置関係にあるブランディングへの理解が必要不可欠になっています。

それができるかどうかで、制作者としてのスキルが大きく変わる部分だと思いますね。

ライターの感想
企業ブランディングとデザインは、切っても切り離せないもの。それを一手に引き受ける「mitone design.」の事業は、大変やりがいのある仕事です。新たなビジネスモデルへのチャレンジを通して、馬路村をますます有名な地域にしてくれる可能性を感じました。
この記事を書いた人
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崎山めぐみ

言葉で人と人のご縁をつなぐことを目指し、「ことのは舎」の屋号で活動するWEBライター。地元・高知が大好きな2児の母。
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